【解説】YouTube利用規約の重要ポイント|中央区・壷屋法律事務所

query_builder 2021/04/27
法律コラム
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YouTube利用規約をみると、内容が重複していたり、リンクがいくつも続いていたりと複雑で、その内容全てを把握するのは大変骨の折れる作業です。


そこで、本記事では、YouTube利用規約について、どんな内容が記載されているのかを、ポイントを絞ってまとめてみたいと思います。

簡単なまとめになっていますので、より詳細・正確な内容は利用規約の原文をご参照ください。


近時は、YouTube側も、概要や要約、ヘルプ記事を載せるなどして、わかりやすい内容となるように力を入れているようです。


なお、本記事は公開日(2021年4月26日)時点のYouTube利用規約(2021年3月17日版)に基づいています。


【目次】

第1.YouTube利用規約の全体像

第2.ユーザーが「できること」/「してはいけないこと」(利用ライセンス)

1.ユーザーが「できる」こと

2.ユーザーが「してはいけないこと」(禁止事項)
第3.動画投稿者がYouTube側に許可している事項

1.動画投稿者からYouTubeへの利用許諾(ライセンス)の内容

2.動画投稿者から他のユーザーへのライセンスの付与
第4.コンテンツの削除とアカウントの停止・解除

1.ユーザーによる削除等

2.YouTubeによる削除等


第1.YouTube利用規約の全体像

YouTubeを利用するすべてのユーザーには、YouTube利用規約だけでなく、以下のガイドラインやポリシーが適用されます。


【YouTube利用の全般に関わる規約】

YouTube利用規約


YouTubeコミュニティガイドライン


「ポリシー、セキュリティ、著作権」ポリシー


・広告主やスポンサーになる場合やコンテンツに有料プロモーションを組み込む場合には、さらに「広告主向けの広告ポリシー」が適用される。



これらのガイドラインは利用規約と一体となって一つの契約内容を構成しています【※1】。以後、本記事で「利用規約」と言うときは、これらのガイドラインを含んだものを指します。


この利用規約は、アカウント登録をするだけでなく、動画の視聴をするだけでも適用されることになります。
また、利用規約は随時更新されるという点にも注意が必要です。


(参照:YouTube利用規約(上記URL)のうち「適用される規約」の欄)

第2.ユーザーが「できること」/「してはいけないこと」(利用ライセンス)

ユーザーは利用規約に同意することでYouTubeを利用することができますが、利用規約は、ユーザーがYouTubeを利用する際に「できること」と「してはいけないこと(禁止事項)」を定めています。


1.ユーザーが「できる」こと


・ユーザーは、個人的かつ非営利の目的でYouTubeを利用することができます(ユーザーへのサービス利用許諾)。
・ユーザーが可能な利用方法は、動画の視聴やコメント、チャンネル登録、コンテンツ(動画や画像、写真など)をアップロードすることです。
・ユーザーは、アップロードしたコンテンツを何時でも削除可能です【※2】


2.ユーザーが「してはいけないこと」(禁止事項)


・ユーザーは、利用規約(ガイドラインなども含む)と適用法令を守る必要があります。
・さらに、YouTubeの利用にあたっての10項の禁止事項が定められています。禁止事項のうち、特に次の事項は注意が必要です。


7項不正な報告や申立て、申請をすること。
例えば、虚偽の著作権侵害の報告をすることは禁止されています。
9項不特定または多数の人を集めてYouTubeの動画を上映したり、音楽のストリーミング再生をすること。
例えば、YouTube上映会と称し、料金を取って、テレビやスクリーンなどに映して不特定または多数の人に向けてYouTube動画を見せることは利用規約上できません。
10項広告する場合には、YouTubeの広告表示で許可されている方法に従う必要があります。


・アップロードするコンテンツは、第三者の著作権について利用許諾を得ている又は法律上利用可能な場合である(著作権法上の「引用」など)こと、また、コミュニティガイドラインを守っていることが必要です。

特に、コミュニティガイドラインでは、①ヌード・性的コンテンツや、④暴力的で生々しいコンテンツなどの細かいルールが定められています。


(参照:YouTube利用規約(上記URL)の「本サービスの利用」のうち「許可と制限事項」の欄、「お客様のコンテンツと行動」のうち「コンテンツのアップロード」「コンテンツの削除」の欄)

第3.動画投稿者がYouTube側に許可している事項

ユーザーはYouTubeの利用ライセンスを得られる反面、特に動画コンテンツをアップロードする場合に、以下のように、投稿コンテンツについてYouTube側に対して利用許諾をしています(ユーザーによる利用ライセンスの付与)。


1.動画投稿者からYouTubeへの利用許諾(ライセンス)の内容


YouTubeは、YouTubeとその関連事業に関して、投稿者のコンテンツ(動画や写真など)を無償で世界的に「使用」(複製、配信、派生物の作成、展示、上演を含む)することができます。(世界的・非独占的・譲渡可能のライセンス)

…そのため、利用規約上、YouTubeは、ユーザーから個別の許可を取らずにYouTube主催のイベントなどでユーザーのアップした動画を編集し、上映することが可能です。


・さらにYouTubeは、第三者に再許諾することもできます(サブライセンス権限の付与)。


(参照::YouTube利用規約(上記URL)の「お客様のコンテンツと行動」のうち「YouTubeへのライセンス付与」の欄)


2.動画投稿者から他のユーザーへのライセンスの付与


・また、視聴者などの他のユーザーは、YouTubeの機能を通じてコンテンツを使用することができます(世界的・非独占的・無償のライセンス)。

…そのため、視聴者は、YouTubeの機能を通じて動画を視聴し、SNSなどへ拡散することが可能です。また、メンバーシップにおけるメンバー限定の絵文字もメンバーシップ登録者はコメント欄で利用することできます。


・ただし、YouTubeへの利用許諾とは異なり、視聴者など他のユーザーは再許諾(サブライセンス)をすることはできませんので、自分で楽しむ限りで上記の使用ができます。


(参照::YouTube利用規約(上記URL)の「お客様のコンテンツと行動」のうち「他のユーザーへのライセンス付与」の欄)


第4.コンテンツの削除とアカウントの停止・解除

1.ユーザーによる削除等


コンテンツの削除やアカウントの解除については、ユーザーからは「いつでも」可能です。ただし、YouTubeの定める手順を踏む必要があります。


(参照::YouTube利用規約(上記URL)の「お客様のコンテンツと行動」のうち「コンテンツの削除」の欄、「アカウントの停止と解除」のうち「お客様による解除」の欄)


2.YouTubeによる削除等


YouTubeはコンテンツ削除やアカウント停止をする権限を有しています。ただし、YouTubeが削除・停止を行うには「正当な理由」が必要とされており、手続きも定められています。


(1)YouTubeによるコンテンツ削除が行われる場合、次のような手順を踏みます。


①YouTubeが規約違反や他のユーザー・第三者に侵害を及ぼすと判断した場合、理由を通知してコンテンツを削除できる。

②ユーザーからは再審査請求ができる(詳細は、トラブルシューティング参照)


(2)YouTubeによるアカウントの停止・解除が行われる場合、次のような手順を踏みます。


①YouTubeは、深刻な契約違反や違反の繰り返し、他のユーザーや第三者に不利益・損害を与える行為が行われていると判断する場合は、ユーザーに通知を行う(ユーザーにはコンテンツを保存する猶予期間が与えられる)。
②その後、解除・停止が実施される。

③誤ったアカウント停止に対しては、ユーザーは再審査請求ができる。


(参照::YouTube利用規約(上記URL)の「お客様のコンテンツと行動」のうち「YouTubeによるコンテンツの削除」の欄、「アカウントの停止と解除」のうち「正当な理由に基づくYouTubeによる解除および停止」「解除や停止に関する通知」の欄)




以上、簡単ではありますが、YouTube利用規約の重要ポイントをまとめました。
より詳細な内容・説明は、該当のリンク先を辿って確認する必要があります。


また、本記事のほかに、YouTuber(ユーチューバー)と法律に関するコラムも掲載しておりますので、そちらもご参考にしていただければ幸いです。


本記事がYouTube利用規約の理解の一助になれば幸いです。


(公開日)

2021年4月27日

2021年10月25日 最終更新


(画像利用)

いらすとや https://www.irasutoya.com/




※1:なお、YouTubeパートナープログラムに申し込み、YouTubeで広告収益を得る場合には、本文の利用規約に加え、以下の規約が適用されます。
YouTubeのチャンネル収益化ポリシー

https://support.google.com/youtube/answer/

1311392


AdSense プログラム ポリシー

https://support.google.com/adsense/answer/

48182?ctx=checklist


広告掲載に適したコンテンツのガイドライン

https://support.google.com/youtube/answer/

616227


※2:ユーザーが作成したコンテンツに関する権利(著作権など)はユーザーが保持し、YouTubeへ移転することはありません。コンテンツについての責任は作成したユーザーが負います。


(参考:YouTube利用規約(上記URL)のうち「本サービスの利用」のうち「本サービスのコンテンツ」、「お客様が付与する権利」)

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